「ゆとり教育」を見直し、授業時間数や指導内容量を増やすという文科省の動向は果たして子どものためになるのであろうか。「ゆとり教育」は、1970年代に、これまでの知育偏重・つめこみ教育では早晩ゆきづまることになる、もっと「考える力」を育てるため、現場でさまざまな学び方の工夫をしていくよう願って出されたものと理解している。しかし、その成果や現状が検証されないまま、また元に戻ろうとしている。PISA(国際学習到達度調査)の結果がセンセーショナルに取り上げられているが、 基礎学力は諸外国に比べてそれほど劣っていないにもかかわらず、反復練習の強化や学力テストの復活等で子どもたちをしばりつけ、つまらない授業が増え始めている。
「勉強の仕方がわかっていないようなんです」入塾の面談の際、よく聞く言葉である。
確かに定期テスト前に学習計画を立ててみようと呼びかけても自分で作成できない子が多い。嘆くばかりでは前に進まない。子どものせいではない。
学びは暮らしの中で獲得されていくものである。何故、これからの天気は西の空を見ろと先人は言ったのか、ピタゴラス学派はどうして音楽の五線譜をあみ出したのか、√を発見したのか、分数の計算はなぜかけ算にできるのか、今年も学びの導入部分に気をつかいながら厳しさの中に楽しさを追求する塾であり続けたい。
2008.3 今北正史